再エネ賦課金の推移は?今後の予想と2026年度単価をグラフで解説
再エネ賦課金は2012年度の0.22円から2026年度の4.18円まで上昇しました。ただし一本調子で上がってきたわけではなく、直近5年だけでも3.45円から1.40円、そして4.18円へと大きく動いています。この記事では推移をグラフの形で押さえたうえで、電力中央研究所の試算や経済産業省の公表資料をもとに、今後の予想と2026年9月時点の政策動向まで整理します。
公的機関の公表資料と各社の料金表にあたって記事を書いています。この記事の単価と時期は経済産業省などの公表資料で2026年9月27日に確認したものです。出典を示せない金額は掲載していません。
再エネ賦課金の推移 直近5年の動きを確認する
再エネ賦課金は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを電力会社が買い取る費用を、電気を使う全員で分担する費目です。単価は毎年度見直され、2012年度の0.22円から2026年度の4.18円まで、14年でおよそ19倍になりました。一貫して上がり続けてきたわけではなく、2023年度には制度開始以来はじめて下落しています。まずは直近5年間の動きから確認します。
再エネ賦課金とは何の費目か
再エネ賦課金の正式名称は再生可能エネルギー発電促進賦課金です。再エネ特措法にもとづき、太陽光や風力などで発電した電気を電力会社が一定期間買い取る費用を、電気を使う全員で負担する仕組みで、単価は経済産業大臣が年度ごとに決定します。制度の始まりや2026年度単価そのものの詳しい説明は再エネ賦課金とはの記事にまとめています。
直近5年間の単価の動き
直近5年間では、2022年度3.45円から2023年度1.40円へいったん下がり、2024年度3.49円、2025年度3.98円、2026年度4.18円と3年連続で上昇しています。2023年度に下がった理由と2012年度からの全年度の推移は再エネ賦課金の年表記事で詳しく解説しているので、ここでは直近の動きに絞って一覧にします。
| 年度 | 単価(円/kWh) | 前年度比 |
|---|---|---|
| 2022年度 | 3.45円 | 上昇 |
| 2023年度 | 1.40円 | 制度開始以来初の下落 |
| 2024年度 | 3.49円 | 上昇 |
| 2025年度 | 3.98円 | 上昇 |
| 2026年度 | 4.18円 | 上昇(初の4円台) |
「下がった年があったのに、また上がっている」という感想をよく見かけますが、2023年度の下落は一時的な市場価格の高騰が理由で、その後の上昇とは別の要因で起きています。
推移をグラフで見るとどんな形になるか
再エネ賦課金の推移をグラフにすると、2012年度から2022年度にかけてはほぼ一直線に右肩上がりの形になります。2023年度だけ急に谷ができて落ち込み、その翌年から再び急な傾きで山を描くように上昇しているのが特徴です。単純な右肩上がりのグラフではなく、途中に大きな谷がある点を押さえておくと数字の変化を誤解しにくくなります。
長期で見ると右肩上がりの形
制度が始まった2012年度の0.22円から2022年度の3.45円までは、毎年度ほぼ同じ方向に伸びる右肩上がりのグラフになります。再生可能エネルギーの導入量が年々増え、電力会社が支払う買取費用の総額が膨らみ続けたことが、この期間のなだらかな上昇を説明する主な理由です。細かい年度ごとの数値は推移の年表記事で確認できます。
2023年度だけの谷とその後の山
グラフ上で唯一へこんでいるのが2023年度です。卸電力市場の価格高騰で「回避可能費用」という差し引き項目が急増し、単価が1.40円まで下がりました。しかし2024年度には3.49円まで戻り、2025年度3.98円、2026年度4.18円と急な傾きで上昇が続いています。谷の理由を含めた詳しい解説は上記の年表記事にまとめています。
- 2012年度から2022年度はほぼ一直線の右肩上がり
- 2023年度だけ大きな谷ができ1.40円まで下落
- 2024年度以降は3年連続で上昇し4円台に到達
- 谷の理由は卸電力市場価格の高騰による回避可能費用の増加
- グラフ全体では谷を挟んだ2つの上昇局面がある
再エネ賦課金の推移は今後どう予想されているか
今後の推移について、経済産業省は年度ごとの単価しか公表しておらず、複数年先の見通しを断定的には示していません。ただし電力中央研究所などの専門機関による試算や、資源エネルギー庁の審議会での議論からは、当面は上昇が続き、2030年代前半以降に減少へ転じる可能性が高いという見方が読み取れます。あわせて2026年9月には政権レベルでの見直し発言も出ており、試算だけでなく政策の動きも含めて見ておく必要があります。
2030年度試算は3.5円から4.1円
電力中央研究所は2020年3月の研究資料で、2030年度の賦課金単価を1kWhあたり3.5円から4.1円程度と試算していました。2019年度の実績2.95円と比べて40%から66%増える計算です。再生可能エネルギーの導入拡大と買取費用の増加を前提にした試算で、公表当時としては上振れを見込んだ数字でした。
実績はすでに試算の上限を超えた
2026年度の実績単価は4.18円で、電力中央研究所が2030年度時点の上限として示した4.1円を、4年前倒しで上回っています。試算の前提より再エネの導入や買取費用の増加が早く進んだためとみられ、過去の試算をそのまま今後の見通しとして使うと、実態より低く見積もってしまう可能性があります。
高市政権下の見直し発言
2026年9月、高市首相と赤澤経済産業相が、再エネ賦課金の必要性を見直す趣旨の発言を相次いで行いました。高市首相は衆院本会議で賦課金の必要性を検証する考えを答弁しており、メガソーラーの環境影響や太陽光パネルの中国依存なども論点として挙げられています。制度の廃止や大幅な見直しが決まったわけではなく、議論が始まった段階です。
見直しの議論は始まったばかりで、制度の廃止や単価の引き下げが確定したわけではありません。今後の国会審議や審議会の資料で続報を確認してください。
地上設置太陽光の対象外化
資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会は、事業用太陽光のうち地上設置区分について、2026年度分を最後に2027年度以降はFIT・FIP制度の新規支援対象から外す方針を了承しました。新規に認定される高額買取案件が減るため、長期的には賦課金の増加ペースを緩める方向に働くとみられています。屋根設置型は対象外にならず、支援が続きます。
- FIT買取期間の満了で古い高額案件が順次外れていく
- 地上設置太陽光が2027年度以降は新規支援の対象外になる
- 卸電力市場の価格変動が回避可能費用を通じて単価を左右する
- 高市政権下での制度見直し議論の行方
- 今後の再生可能エネルギーの新規導入ペース
電力中央研究所の試算より実際の単価が高くなっている点は、今後の見通しを読むときにも試算は前提が変われば変わることを意識する材料になります。
推移を経済産業省の公表資料で確認する方法
再エネ賦課金の推移を自分で確認したいときは、資源エネルギー庁と経済産業省が公表している一次資料にあたるのが確実です。比較サイトやまとめ記事の数値は転記の誤りや古い情報が混ざっていることがあるため、単価そのものは必ず公表資料の年月とあわせて確認してください。ここでは実際の探し方を手順で示すので、来年度以降の単価が発表されたときも同じ手順で自分で確認できます。
資源エネルギー庁の発表の探し方
経済産業省のサイトでは毎年3月ごろに「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における次年度以降の買取価格等と賦課金単価を設定します」という見出しのニュースリリースが公表されます。検索エンジンで「経済産業省 賦課金単価 プレスリリース」のように年度を含めずに検索すると、最新の発表ページを見つけやすくなります。
調達価格等算定委員会の資料で議論を追う
資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会のページでは、単価の算定根拠や、地上設置太陽光の対象外化のような制度変更の議論資料が公開されています。次年度の単価が決まる前の審議会資料を読むと、値上がりや値下がりの要因を公表前から把握できます。専門用語が多いページなので、まずは資料の概要部分だけでも目を通すことをおすすめします。ほかの料金の仕組みは電気料金の仕組みのカテゴリでもまとめています。
- 経済産業省の報道発表ページで年度ごとの単価公表を確認する
- 資源エネルギー庁のなっとく再生可能エネルギーのページで制度の仕組みを確認する
- 調達価格等算定委員会のページで審議会資料を確認する
- 公表日と適用開始月(5月検針分から)をあわせて記録する
- 比較サイトの数値は必ず一次資料と突き合わせる
推移を見るときに混同しやすい点
再エネ賦課金の推移を調べていると、燃料費調整額や電力会社ごとの料金プランと混同しているケースをよく見かけます。再エネ賦課金は国が全国一律で決める費目で、燃料費調整額や基本料金は電力会社が決める費目です。この違いを分けて理解しないと、乗り換えの効果を見誤り、賦課金の値上がりまで電力会社のせいだと誤解してしまいます。
国が決める費目と会社が決める費目
再エネ賦課金は経済産業大臣が全国一律で決定し、電力会社やプランを変えても単価は変わりません。一方で基本料金や電力量料金は各電力会社が自由に設定でき、燃料費調整額も算定方法は国のガイドラインに沿いつつ会社ごとに数値が変わります。乗り換えで比較できるのは、賦課金以外の部分だと理解しておく必要があります。
新電力に変えても推移は変わらない
「新電力に切り替えれば再エネ賦課金の推移も緩やかになるのでは」という誤解が根強くありますが、単価は契約先にかかわらず全国どこでも同じです。乗り換えのシミュレーションで示される削減額は、基本料金や電力量料金の差から生まれているもので、賦課金の増減とは無関係に計算されています。
| 費目 | 決定主体 | 単価の決まり方 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 電力会社 | 会社ごとに随時改定 |
| 電力量料金 | 電力会社 | 会社ごとに随時改定 |
| 燃料費調整額 | 電力会社(算定方法は国指針) | 毎月変動 |
| 再エネ賦課金 | 国(経済産業大臣) | 年1回・全国一律 |
- 再エネ賦課金は国が全国一律で決める
- 基本料金と電力量料金は電力会社が決める
- 燃料費調整額は会社ごとに毎月変わる
- 新電力に変えても賦課金の推移自体は変わらない
- 乗り換えで比較できるのは賦課金以外の部分だけ
「乗り換えたのに賦課金の値上がりは止まらなかった」という声は、そもそも乗り換えで動かせる費目ではない部分に期待してしまったケースがほとんどです。
今後の負担額を試算する
推移の見通しをふまえて、実際にいくら払うことになるのかを試算します。2026年度の確定単価4.18円をもとにした現在の負担額と、電力中央研究所が示した2030年度の試算幅3.5円から4.1円をもとにした将来の負担額を、それぞれ使用量別に並べました。試算はあくまで目安で、確定した将来の単価ではありません。
2026年度の使用量別負担額
2026年度の単価4.18円をもとに計算すると、月300kWh使用する世帯で月額1254円、年額15048円、月400kWh使用する世帯で月額1672円、年額20064円になります。400kWhの行は経済産業省が示すモデル世帯の試算と一致します。実際の請求では電力会社ごとの端数処理で数円ずれることがあります。
| 月間使用量 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 300kWh | 1254円 | 15048円 |
| 400kWh | 1672円 | 20064円 |
| 500kWh | 2090円 | 25080円 |
2030年度シナリオでの負担額
電力中央研究所の試算幅3.5円から4.1円を使うと、月400kWh世帯の年間負担額は低い方で16800円、高い方で19680円という計算になります。ただし2026年度の実績はすでに4.18円で年額20064円のため、この試算どおりに収まるかは不透明です。今後の政策動向次第で、試算を上回る可能性も下回る可能性もあります。
| 時点 | 単価目安 | 400kWh世帯の年額 |
|---|---|---|
| 2026年度実績 | 4.18円 | 20064円 |
| 2030年度試算(下限) | 3.5円 | 16800円 |
| 2030年度試算(上限) | 4.1円 | 19680円 |
2030年度の試算は2020年に公表されたもので、その後の制度変更や政策議論を反映していません。最新の単価は必ずその年度の経済産業省の公表資料で確認してください。
- 2026年度は400kWh世帯で年額20064円
- 2030年度試算は下限16800円から上限19680円
- 2026年度の実績はすでに試算の上限に近い水準
- 試算は2020年公表で最新の政策動向を反映していない
- 最新の負担額は年度ごとの公表資料で確認する
よくある質問
再エネ賦課金の推移に関連して、検索でよく調べられている疑問をまとめます。以下は2026年9月27日時点で確認した内容にもとづく回答です。単価は毎年度見直され、政策の議論も進行中のため、最新の数値と動向は経済産業省の公表資料で確認してください。個別の請求内容については、契約している電力会社の窓口にご相談ください。
再エネ賦課金は今後も上がり続けますか
確定した将来の単価は公表されていませんが、電力中央研究所の試算や資源エネルギー庁の審議会での議論からは、当面は上昇が続き、FIT買取期間の満了が進む2030年代前半以降に減少へ転じる可能性が高いとみられています。ただし2026年度の実績単価4.18円は過去の試算の上限をすでに上回っており、試算どおりに進むとは限りません。2026年9月には政権内で制度の必要性を見直す発言も出ており、今後の政策動向によって推移の形が変わる可能性があります。最新の単価は年度ごとに経済産業省が公表するので、そのつど確認するのが確実です。
再エネ賦課金の推移グラフはどこで見られますか
資源エネルギー庁や新電力ネットなどの民間サイトが、年度別の単価推移を表やグラフの形でまとめて公開しています。当サイトでも直近5年間の推移を早見表にしていますが、2012年度からの全年度の詳しい年表は、制度開始時期を扱った別記事にまとめています。グラフを見るときは、2023年度に一度だけ大きく下落している点を踏まえたうえで、その前後の年度を比較するようにしてください。単年度だけを切り取ると、上昇か下落かの印象を誤解しやすくなります。
高市政権になって再エネ賦課金は廃止されますか
2026年9月時点で、再エネ賦課金の廃止が正式に決まった事実はありません。高市首相や赤澤経済産業相は制度の必要性を見直す趣旨の発言をしていますが、これは議論を始める段階であり、廃止や単価の引き下げが確定したものではありません。一方で、地上設置の事業用太陽光を2027年度以降はFIT・FIP制度の新規支援対象から外す方針はすでに了承されており、長期的には賦課金の増加ペースを緩める方向の制度変更が実際に進んでいます。今後の国会審議や審議会の資料を確認することをおすすめします。
賦課金の推移は電力会社を変えれば緩やかにできますか
できません。再エネ賦課金の単価は経済産業大臣が全国一律で決定しており、大手電力でも新電力でも同じ単価が適用されます。電力会社の乗り換えで下げられるのは基本料金や電力量料金の部分であり、賦課金の推移そのものに影響を与える方法ではありません。負担を減らせる可能性があるのは、使用量そのものを減らすか、自宅で発電した電気を自家消費して電力会社からの購入量を減らす場合に限られます。乗り換えを検討する際は、この違いを踏まえて比較してください。
まとめ
再エネ賦課金の単価は、2012年度の0.22円から2026年度の4.18円まで上昇し、2023年度だけ大きな谷を作りながらも、直近3年は連続で上昇しています。電力中央研究所が2020年に示した2030年度の試算幅3.5円から4.1円は、2026年度の実績単価にすでに追い越されており、過去の試算をそのまま将来の見通しとして使うことはできません。
2026年9月には高市政権のもとで制度の必要性を見直す発言が相次ぎ、地上設置の事業用太陽光を2027年度以降はFIT・FIP制度の支援対象から外す方針もすでに了承されています。今後の推移は、こうした政策の動きと、資源エネルギー庁が公表する年度ごとの単価をあわせて追っていく必要があります。
電力会社を切り替えても、この費目の単価は変わりません。制度開始からの詳しい年表と2023年度に下落した理由は再エネ賦課金の推移年表の記事で、制度の仕組みそのものは再エネ賦課金とはの記事でまとめています。ほかの記事は記事一覧、当サイトの方針は運営者情報をご覧ください。