電力会社の乗り換えに必要なものと手順を徹底解説【即日切替の可否も】
電力会社を乗り換えたいけれど、何を準備すればいいのか分からずに手が止まっていませんか。必要なものは検針票に載っている2つの番号と、支払い方法だけです。ただし契約中のプラン次第で解約金がかかることがあり、即日での切り替えもできません。この記事では必要なものから手順、タイミング、太陽光の売電契約がある場合の注意点まで、乗り換え前に確認すべきことを一つずつ整理します。数値は資源エネルギー庁など公的な情報源で確認したものです。
資源エネルギー庁や各社の公式ページにあたって記事を書いています。この記事の制度・手続きに関する記述は資源エネルギー庁の切り替え方法のページで2026年9月12日に確認したものです。
電力会社の乗り換えに必要なもの
電力会社の乗り換えに必要なものは、現在契約している電力会社のお客様番号と供給地点特定番号、新しい電力会社への支払い方法の3点です。資源エネルギー庁の案内でも、切り替え手続きに必要な情報として同様の項目が挙げられています。工事や現地立会いは原則不要で、この3点を用意して申し込むだけで手続きが進みます。
検針票で確認する項目
検針票(電気ご使用量のお知らせ)やWeb明細には、お客様番号と供給地点特定番号が記載されています。供給地点特定番号は22桁の番号で、電力の供給地点を全国で識別するために使われるものです。記載位置は電力会社によって異なり、たとえば東京電力の検針票では左上に「地点番号」として載っています。契約している電力会社を変更しても、住所が同じであればこの番号は変わりません。
- お客様番号
- 供給地点特定番号(22桁)
- 現在の契約プラン名
- 契約アンペア数
- 切り替え希望日
供給地点特定番号が分かれば契約の切り替え手続きが進められてしまうため、検針票や請求書を第三者に見せないよう管理してください。
支払い方法と契約者情報
申し込み画面では、口座振替やクレジットカードといった支払い方法の登録も必要です。契約者の氏名、住所、電話番号、メールアドレスといった基本情報に加えて、供給を開始する希望日も入力します。現在契約している電力会社への解約連絡は、基本的に自分で行う必要はありません。契約者の同意にもとづいて、乗り換え先の電力会社が解約手続きを代行する仕組みになっているためです。
| 項目 | 確認できる場所 |
|---|---|
| お客様番号 | 検針票・電力会社のマイページ |
| 供給地点特定番号 | 検針票・電力会社のマイページ |
| 契約中のプラン名 | 検針票・請求書 |
| 契約アンペア数 | 検針票・分電盤のブレーカー |
| 支払い方法の情報 | 通帳・クレジットカード |
供給地点特定番号さえ分かれば申し込みは数分で終わります。逆にこの番号が見つからないと手続きが止まるので、最初に確認しておくと安心です。
電力会社を乗り換える手順
電力会社の乗り換えは、新しい電力会社への申し込みから契約切り替えまで、大きく3つの段階で進みます。契約中の電力会社への解約連絡、開通工事、停電のいずれも基本的に発生しません。実務は乗り換え先の電力会社と一般送配電事業者(送配電網を管理する会社)の間で処理されます。利用者側で行うのは、最初の申し込みと支払い情報の登録だけです。
申し込みから契約切り替えまでの流れ
最初に新しい電力会社のWebサイトやマイページから申し込みを行います。入力するのは供給地点特定番号や契約者情報、支払い方法で、書類の郵送は基本的に不要です。申し込み内容は電力広域的運営推進機関が運用するスイッチング支援システムを通じて処理され、一般送配電事業者との間で契約情報のやり取りが行われます。手続きが完了すると、指定した切り替え日から新しい電力会社との契約が始まります。
- 新しい電力会社のWebサイトや電話で申し込む
- 供給地点特定番号などの情報を照合する
- 一般送配電事業者との間で契約情報をやり取りする
- 必要な場合のみスマートメーターへの交換工事を行う
- 指定した切り替え日から新しい契約が始まる
今の電力会社への解約連絡は不要
乗り換え先の電力会社への申し込みだけで手続きが進むため、現在契約している電力会社に自分で解約を伝える必要はありません。契約者の同意にもとづいて、乗り換え先が解約の手続きを代行します。ただし、賃貸住宅で電力会社の指定がある場合や、建物全体で一括受電契約になっている場合は個別の乗り換えができないことがあるため、事前に管理会社へ確認しておくと手続きがスムーズです。
自分で今の会社に電話しなくていいと分かっていても、切り替え月の請求がどちらの会社から来るのかは事前に確認しておくと安心です。
電力会社を乗り換えるメリットとデメリット
電力会社を乗り換える最大のメリットは、基本料金や電力量料金の単価が会社やプランによって異なるため、契約を見直すことで電気代の総額を抑えられる可能性がある点です。一方で、契約期間の定めがあるプランを解約すると解約金が発生する場合があり、サポート体制も会社によって差があります。世帯の使用量やプランによって結果は変わるため、必ず安くなるとは限りません。
乗り換えのメリット
電力会社を比較して選べるようになったことで、基本料金や電力量料金の単価が抑えられたプラン、ガスや通信サービスとのセット割、ポイント還元がある会社など、選択の幅が広がりました。使用量が多い世帯ほど単価の差が総額に効きやすく、再生可能エネルギー由来の電力を選べるプランを用意している会社もあります。契約中のプランと比較したときに、自分の使い方に合った条件を選べることが最大の利点です。
- 基本料金や単価を比較して選べる
- ガスや通信とのセット割を使える場合がある
- ポイント還元などの特典があるプランもある
- 再生可能エネルギー由来の電力を選べるプランもある
デメリットと注意点
デメリットとして挙げられるのが、契約期間の定めがあるプランを途中で解約した場合の解約金です。大手電力会社の期間限定プランや新電力の一部の割引プランでは、契約期間内の解約に数千円程度の解約金を設定している例があります。金額や条件は会社・プランごとに異なるため、乗り換え前に現在契約している電気料金プランの契約約款や重要事項説明書で確認しておく必要があります。
- 契約期間の定めがあるプランは解約金の有無を確認する
- 支払い方法が限定されている会社がある
- 停電時の対応やカスタマーサポートの体制は会社で異なる
- プラン選びを誤ると電気代が高くなる場合もある
| 観点 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|
| 料金 | 単価やプランを比較して選べる | 使用量によっては安くならないことがある |
| 契約 | 縛りなしプランを選べば柔軟 | 期間限定プランは解約金が発生する場合がある |
| サポート | 会社ごとに独自の窓口やアプリがある | 対応の質や体制は会社によって差がある |
| 電源の選択 | 再エネ由来のプランを選べる場合がある | 対応プランの有無は会社によって異なる |
電気代が下がるかどうかは家庭の使用量とプラン次第です。乗り換えれば必ず安くなるという説明を見かけたら、その根拠を確認してください。
乗り換えのタイミングと即日切替の可否
電力会社の乗り換えは即日での切り替えはできません。申し込みから契約切り替えまでは、スマートメーターの交換が不要な場合でおよそ数日、交換が必要な場合でおよそ2週間程度の期間が目安とされています。引っ越しシーズンなど申し込みが集中する時期は、これより長くかかることもあるため、余裕をもって手続きを進める必要があります。
即日切替ができない理由
申し込み内容は、乗り換え先の電力会社と一般送配電事業者の間でスイッチング支援システムを通じて処理されます。契約情報の照合や、必要に応じたスマートメーターの交換工事といった手続きを経るため、申し込んだ当日に契約が切り替わることはありません。全国のスマートメーター設置率は2024年度末時点で99.9パーセントに達しており、多くの家庭では交換工事なしで切り替えられますが、それでも数日単位の処理期間は必要です。
乗り換えに向いているタイミング
急ぎでなければ、契約更新月や引っ越しシーズンを避けて申し込むと手続きがスムーズに進みやすくなります。検針日の前後に申し込むと、料金の日割り計算が発生する月をまたぐことがあるため、切り替え日がどの検針に反映されるかを事前に電力会社へ確認しておくと、明細を見たときに戸惑いません。
| 区分 | 目安期間 |
|---|---|
| スマートメーター交換が不要な場合 | 数日程度 |
| スマートメーター交換が必要な場合 | 2週間程度 |
| 引っ越しシーズンなど混雑時 | 数週間程度かかる場合がある |
- 即日切替はできない
- メーター交換不要なら数日程度が目安
- メーター交換が必要なら2週間程度が目安
- 引っ越しシーズンは混雑して延びることがある
- 検針日をまたぐ月は明細を確認する
引っ越し当日に電気を使いたい場合でも、入居時点で契約している電力会社があれば通常どおり電気は使えます。乗り換え自体を急ぐ必要はありません。
今日中に切り替えたいという相談をよく見かけますが、制度上ここは動かせません。急ぎでなければ、その数日を比較検討に充てるくらいの気持ちで大丈夫です。
電力会社選びで比較すべきポイント
電力会社を比較するときの軸は、供給エリアに対応しているか、基本料金と電力量料金の単価、契約期間の縛りの有無の3つです。特定の1社がすべての家庭にとって最安になるわけではなく、世帯の使用量や契約アンペア数によって有利なプランは変わります。以下の順番で確認していけば、自分に合う候補は自然に絞り込めていきます。
供給エリアで選べる電力会社が変わる
電力会社の多くは、対応する供給エリアを限定しています。これは電力の送配電網を管理する一般送配電事業者が地域ごとに分かれているためです。全国は北海道電力ネットワーク、東北電力ネットワーク、東京電力パワーグリッド、中部電力パワーグリッド、北陸電力送配電、関西電力送配電、中国電力ネットワーク、四国電力送配電、九州電力送配電、沖縄電力の10エリアに分かれており、契約できる新電力の顔ぶれもエリアによって異なります。東京や関西、福岡といったエリアで契約先を調べるときは、まず自宅がどのエリアに属するかを確認してください。
| 対象エリア | 送配電網を管理する一般送配電事業者 |
|---|---|
| 東京都・関東圏 | 東京電力パワーグリッド |
| 大阪府など関西圏 | 関西電力送配電 |
| 福岡県など九州圏 | 九州電力送配電 |
| 上記以外の地域 | 北海道電力ネットワークなど地域ごとの事業者 |
料金プラン比較の軸
比較するときは、基本料金、1kWhあたりの電力量料金の単価、契約期間の縛りの有無を並べて見ます。新電力の中には基本料金を低く設定する代わりに単価を高めにしているプランもあり、電気の使用量が多い世帯ほど有利、少ない世帯ほど不利になりやすい設計です。ガスや通信サービスとのセット割は割引額だけを見るのではなく、単体契約と比べた総額で判断してください。
- 対応エリアに入っているか
- 契約アンペア数に合うプランか
- 基本料金と単価のバランス
- 契約期間の縛りと解約金の有無
- セット割は総額で比較する
『おすすめの電力会社』を探す前に、自宅がどのエリアに属していて月にどれくらい使っているかを確認しておくと、比較がぐっと早く終わります。
太陽光の売電契約がある場合の乗り換え
太陽光発電を設置していて売電契約がある場合でも、電気を使うための契約(電力使用契約)と、発電した電気を売るための契約(売電契約)は別の契約として管理されています。使用契約の乗り換え手続きをしても、固定価格買取制度にもとづく売電契約が自動的に解約されることはありません。この違いを知らずに不安になる方が少なくありません。
売電契約と電力使用契約は別物
固定価格買取制度(FIT制度)は、再生可能エネルギーで発電した電気を、国が定めた価格で一定期間買い取る制度です。住宅用太陽光は原則10年間の買取期間が設定されています。この売電契約は、電気を使うために結んでいる電力使用契約とは別の契約として管理されています。そのため、電力使用契約の乗り換え手続きを進めても、売電契約の内容や買取単価がそのまま変わるわけではありません。
乗り換え時に確認すること
売電契約を結んでいる会社と、新しく契約する使用契約の会社が異なっていても、通常はそれぞれ独立して継続できます。ただし、同じ会社で使用契約と売電契約をまとめている場合は、使用契約だけを乗り換えると窓口や明細が分かれることになるため、事前に契約先へ確認しておくと混乱を避けられます。売電先そのものを変更したい場合は、使用契約の乗り換えとは別に、売電契約の変更手続きが必要です。
- 使用契約と売電契約は別契約
- 使用契約を乗り換えても売電契約は自動解約されない
- 買取単価は契約時点の制度にもとづき固定される
- 売電先を変えたい場合は別途手続きが必要
- 同一会社でまとめている場合は窓口が分かれる点に注意
この記事で扱っているのは電力使用契約の乗り換えです。買取期間が満了する卒FIT後の売電については、制度が異なるため別途確認してください。
太陽光を乗せているお宅からのご相談で多いのが、この2つの契約を混同しているケースです。乗り換えるのは電気を買う側の契約だと考えると整理しやすくなります。
よくある質問
電力会社の乗り換えについて、検索でよく調べられている疑問をまとめます。制度や手続きは見直されることがあるため、最新の内容は資源エネルギー庁や契約先の電力会社の案内で確認してください。以下は2026年9月12日時点で確認した内容にもとづく回答で、個別の契約内容については契約先の窓口へお問い合わせください。
電力会社の乗り換えに費用はかかりますか
基本的に工事費や事務手数料はかかりません。スマートメーターへの交換が必要な場合の工事費も原則無料です。ただし、契約期間の定めがあるプランを途中で解約する場合は解約金が発生することがあるため、現在の契約約款を確認したうえで申し込んでください。解約金の有無は会社とプランによって異なります。
賃貸住宅でも電力会社を乗り換えられますか
建物全体で一括受電契約になっている場合を除き、個別に電力会社と契約している賃貸住宅であれば入居者の判断で乗り換えられます。管理会社や大家が電力会社を指定している物件では制限がある場合があるため、契約前に管理会社へ確認してください。一括受電の建物では、個々の入居者が別の電力会社を選ぶことはできません。
乗り換え後に停電することはありますか
通常は工事が不要なため停電しません。従来型メーターからスマートメーターへの交換が必要な場合のみ、交換作業中に短時間の停電が発生することがあります。作業は一般送配電事業者が行い、立ち会いは基本的に不要です。工事の日程は事前に一般送配電事業者から案内があります。
電力会社が倒産した場合はどうなりますか
契約していた新電力が事業撤退や倒産をした場合でも、電気の供給が止まることはありません。資源エネルギー庁の案内によれば、一般送配電事業者による最終保障供給などの仕組みで電気は継続して供給され、その間に別の電力会社を選び直すことになります。慌てて契約先を決める必要はありません。
まとめ
電力会社の乗り換えに必要なものは、検針票で確認できるお客様番号と供給地点特定番号、それに新しい電力会社への支払い方法です。工事や立ち会いは原則不要で、今の電力会社への解約連絡もいりません。ただし即日での切り替えはできず、スマートメーターの交換が必要な場合はおよそ2週間程度を見込んでおく必要があります。
比較するときは、対応エリアに入っているか、基本料金と単価のバランス、契約期間の縛りの有無を確認してください。太陽光の売電契約がある場合は、電力使用契約とは別の契約として扱われるため、乗り換えても自動的に解約されることはありません。世帯の使用量やプランによって結果は変わるため、必ず安くなるとは限らない点も踏まえて検討してください。
最新の制度や手続きの詳細は資源エネルギー庁の公表資料で確認してください。電気代の仕組みは再エネ賦課金の記事、ほかの記事は記事一覧、当サイトの方針は運営者情報をご覧ください。