床暖房の電気代が高い理由と節約の使い方 単価つきの計算方法も解説
床暖房をつけると電気代がどれくらい増えるのか、把握しないまま使っている方は多いと思います。方式が電気式か温水式かで金額の作られ方が違い、同じ設定温度でも消費電力量は変わります。この記事では広さと温度別の電気代の目安、単価を明示した計算方法、今日から変えられる使い方の工夫に加えて、契約プランの見直しで下がる部分と、工夫しても下がらない費目までを整理します。
各社の公式ページと経済産業省・資源エネルギー庁などの公表資料にあたって記事を書いています。この記事の電気代の目安は複数の電力比較メディアの数値と、家電のカタログ表示で使われる業界標準の単価をもとに、当サイトが計算し直したものです。
床暖房の電気代が高くなる仕組み 電気式と温水式の違い
床暖房には、床下の電気ヒーターで直接暖める電気式と、床下の配管に温水を循環させる温水式の2方式があります。電気式は初期費用を抑えやすい一方、稼働中はずっと電気を使うため月々のランニングコストが高くなりやすい方式です。温水式は初期費用がかさむ代わりに、稼働中の光熱費を抑えやすい傾向があります。まず自宅がどちらの方式かを確認することが、節約を考える出発点になります。
電気式のランニングコストが高くなる理由
電気式は床下のヒーターが通電している間ずっと電力を消費する仕組みで、稼働時間が長くなるほど電気代も比例して増えます。設置費用を抑えられる分、日々の稼働コストで差が出やすい方式といえます。部分的な範囲だけに設置しやすい点は電気式の利点ですが、稼働時間が長い家庭ほど月々の電気代の影響を受けやすくなります。
温水式との違いと選び方の目安
温水式はボイラーで温めた湯を床下に循環させる仕組みで、広い面積を長時間暖める使い方に向いています。初期費用はボイラーや配管工事の分だけ電気式より高くなりますが、稼働中のコストは抑えやすくなります。1部屋だけを短時間使うなら電気式、複数の部屋を長時間暖めるなら温水式が向いているという目安で選ぶ考え方が一般的です。
- 電気式は初期費用が安く、部分的な設置がしやすい
- 電気式は稼働時間が長いほど電気代が比例して増える
- 温水式は初期費用が高く、ボイラーや配管工事が必要になる
- 温水式は広い面積を長時間暖める使い方に向いている
- まず自宅がどちらの方式かを取扱説明書や工事時の書類で確認する
床暖房が高いと感じたら、まず電気式か温水式かを確認してください。同じ床暖房でも、電気代の増え方がまったく違います。
床暖房の電気代の平均相場 広さと温度で見る目安
電気式床暖房の電気代は、床温25度の設定であれば6畳から16畳程度の部屋で月額2000円から6000円程度が目安とされています。部屋が広くなるほど暖める面積が増えるため、電気代も比例して高くなる傾向があります。ここからさらに設定温度を上げると、同じ面積でも金額は大きく変わります。自宅の広さと普段の設定温度を照らし合わせて、目安のどのあたりに当てはまるかを確認してみてください。
広さ別の電気代の目安
部屋が6畳から16畳へ広がるにつれて、電気式床暖房の消費電力は増えていきます。複数の電力比較メディアが示す目安では、床温25度の設定で月額2000円から6000円程度の幅に収まるとされ、面積が広がれば電気代もおおむね同じ比率で増える計算になります。断熱性能や気密性が高い住宅ほど、同じ面積でも電気代が抑えられる傾向があります。
設定温度による差
設定温度を上げると、電気代は単純な比例以上に増えることがあります。6畳の電気式床暖房で床温を25度から30度に上げた場合、月額の電気代がおよそ2000円から4500円へ、約2倍前後に増えるという目安が複数のメディアで示されています。同じ広さでも設定温度1つで金額が大きく変わる点は覚えておく価値があります。
| 条件 | 月額の電気代の目安 |
|---|---|
| 6畳 床温25度 | 2000円前後 |
| 6畳 床温30度 | 4500円前後 |
| 6畳から16畳 床温25度 | 2000円から6000円程度(面積による目安レンジ) |
断熱性能や外気温、床の仕上げ材によって実際の電気代は目安から前後します。正確な金額は検針票に記載された実測値で確認してください。
床暖房の電気代の計算方法 単価から試算する
電気代の目安が自宅の条件と合っているか確かめるには、計算式に当てはめて試算する方法があります。電気代は消費電力(kW)に使用時間(h)と電気料金の単価(円/kWh)を掛けて求められ、家電のワット(W)表示は1000で割ってkWに直します。家電のカタログ表示でよく使われる目安単価は31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会)で、契約している電力会社の実際の単価とは異なる場合があります。
計算式と目安単価
計算式は消費電力(kW)かける使用時間(h)かける単価(円/kWh)です。家電製品のカタログに記載される運転コストの試算では、業界標準として全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価31円/kWh(税込)が使われています。実際に支払っている単価は契約している電力会社やプランによって異なるため、正確に試算したい場合は検針票に記載された単価を使ってください。
具体的な計算例
消費電力1200W(1.2kW)の電気式床暖房を、目安単価31円/kWhで使用した場合、1時間あたりの電気代はおよそ37円になります。この前提で使用時間ごとに30日分を試算すると、下の表のとおりになります。数値はあくまで消費電力1200Wと仮定した試算例で、実際の消費電力は機種や設定温度によって変わります。
| 1日の使用時間 | 1日の電気代の目安 | 30日換算の目安 |
|---|---|---|
| 2時間 | 約74円 | 約2232円 |
| 4時間 | 約149円 | 約4464円 |
| 6時間 | 約223円 | 約6696円 |
| 8時間 | 約298円 | 約8928円 |
この試算は消費電力1200Wの機種を仮定した計算例です。自宅の製品の消費電力(W)が分かれば、同じ式に当てはめて計算し直してください。
今日からできる床暖房の節約の使い方
床暖房の電気代を減らすには、設備を買い替えなくても今日から変えられる使い方がいくつかあります。タイマーの活用、つけっぱなしとこまめに消すの使い分け、設定温度の見直しは、いずれも初期費用をかけずに始められる対策です。ここでは3つの具体的な工夫を、実践しやすい順に紹介します。まずは自宅の使い方が当てはまっていないか確認してみてください。
タイマーで運転時間を絞る
多くの床暖房にはタイマー機能が付いており、起床や帰宅の少し前に運転を始めて、就寝時間には自動で止まるように設定できます。使っていない時間帯まで運転を続けている状態を避けるだけで、無駄な稼働時間を減らせます。まずは1日のうち実際に部屋にいる時間を洗い出し、その前後にタイマーを合わせるところから始めてください。
つけっぱなしとこまめに消すを使い分ける
床暖房は温まるまでに時間がかかるため、頻繁にオンオフを繰り返すと、かえって消費電力量が増えることがあります。目安として1時間程度の短い外出であればつけっぱなしのほうが電気代を抑えやすく、長時間の外出では消したほうが電気代を抑えやすいとされています。外出時間の長さに応じて使い分けることが、無理のない節約につながります。
設定温度を1〜2度下げる
設定温度を1〜2度下げるだけでも、消費電力量は目に見えて減ります。厚手のスリッパやラグを併用して足元の体感温度を補えば、設定温度を下げても寒さを感じにくくなります。環境省はウォームビズの取り組みとして、暖房時の室温の目安を20度程度とするよう呼びかけており、床暖房の設定を考えるときの一つの基準になります。
実際に部屋にいる時間の少し前から少し後までに運転時間を絞り、無人の時間帯の稼働をなくします。
1時間程度の外出はつけっぱなし、それより長い外出は消すという基準で使い分けます。
厚手のスリッパやラグを併用しながら、寒さを感じない範囲で少しずつ下げて様子を見ます。
- タイマーで運転開始と停止の時刻を設定する
- 1時間程度の外出はつけっぱなし、長時間の外出は消す
- 設定温度を1〜2度下げ、厚手のスリッパやラグで補う
- 頻繁なオンオフを繰り返さない
- 使っていない部屋の床暖房まで運転し続けていないか確認する
3つとも設備を買い替えずに今日から試せる工夫です。まずはタイマーの設定時刻を見直すところから始めてみてください。
蓄熱式の床暖房は電気料金プランの見直しが効く
蓄熱式の床暖房は、電気料金が割安な深夜の時間帯に蓄熱材を温めて熱をため、日中にその熱を放出して部屋を暖める仕組みです。この方式では、契約している電気料金プランが時間帯別になっているかどうかが節約効果を大きく左右します。電気式のヒーター直熱式とは節約の効きどころが違うため、同じ対策をそのまま当てはめても効果が出にくいことがあります。
深夜電力プランの仕組み
深夜電力を活用するプランは、夜間の単価を割安にする代わりに日中の単価を割高にする設計になっていることが一般的です。蓄熱式の床暖房はこの夜間の安い時間帯に運転するよう設計されているため、時間帯別のプランに加入していれば、単価差の分だけ電気代を抑えられます。逆に時間帯別のプランに入っていない場合は、深夜に運転しても割安の恩恵を受けられません。
電気式との節約法の違い
電気式のヒーター直熱式は、使っている時間だけ電力を消費するため、タイマーや設定温度の見直しが直接効果につながります。一方、蓄熱式は夜間にまとめて熱をためる仕組みのため、日々の使い方よりも契約プランの時間帯区分と単価が節約効果を左右します。自宅がどちらの方式かを確認したうえで、効果の出やすい対策を選ぶことが大切です。
| 項目 | 電気式(ヒーター直熱式) | 蓄熱式 |
|---|---|---|
| 節約が効きやすい対策 | タイマー・設定温度の調整 | 時間帯別プランへの加入 |
| 稼働する時間帯 | 使う時間にあわせて稼働 | 主に深夜に蓄熱し日中に放熱 |
| プラン変更の効果の大きさ | 比較的小さい | 時間帯別プランで効果が大きい |
- 蓄熱式は深夜の安い時間帯に運転するよう設計されている
- 時間帯別プランに加入していないと深夜運転の恩恵を受けにくい
- 電気式は使っている時間だけ電力を消費する
- 電気式はタイマーと設定温度の見直しが直接効果につながる
- 自宅の方式を確認したうえで対策の優先順位を決める
蓄熱式の床暖房で節約を考えるなら、まず契約中のプランが時間帯別かどうかを検針票やマイページで確認してみてください。
使い方を変えても下がらない費目に注意する
床暖房の使い方や契約プランを見直しても、金額が変わらない費目があります。代表的なのが再エネ発電促進賦課金で、これは国が全国一律で単価を決めている費目のため、使い方をどれだけ工夫しても、契約する電力会社を変えても金額は変わりません。節約できる部分とできない部分を切り分けておくと、無駄な期待をせずに済みます。
再エネ賦課金は全国一律
再エネ発電促進賦課金は、太陽光や風力で発電した電気の買取費用を電気の利用者全員で分担する制度で、単価は経済産業大臣が毎年度設定します。契約している電力会社やプラン、床暖房の使い方にかかわらず、使用量(kWh)に同じ単価を掛けて計算されるため、節約の工夫では下げられません。詳しい仕組みは再エネ賦課金を解説した記事で確認できます。
契約先を変えて下がる部分・下がらない部分
電気料金の内訳のうち、基本料金と電力量料金は電力会社やプランによって金額が変わるため、契約先を見直せば下がる可能性があります。燃料費調整額も算定方法に会社差がある場合があります。これに対して再エネ賦課金だけは、どの会社を選んでも同じ単価が適用されます。床暖房の電気代を見直すときは、この4つを分けて考えてください。
| 費目 | 決まり方 | 使い方や契約変更で下がるか |
|---|---|---|
| 基本料金 | 電力会社・プランが設定 | 契約プラン変更で下がることがある |
| 電力量料金(床暖房の使用分) | 電力会社・プランが設定 | 使い方(時間・温度)で下がる |
| 燃料費調整額 | 算定方法に会社差がある場合がある | 契約変更で下がることがある |
| 再エネ賦課金 | 国が全国一律で設定 | 下がらない |
- 基本料金は契約プランの変更で下がることがある
- 電力量料金は使い方(時間・温度)の工夫で下がる
- 燃料費調整額は算定方法に会社差がある場合がある
- 再エネ賦課金は国が全国一律で設定し、下がらない
- 4つの費目を分けて考えると、期待できる節約の範囲がわかる
新電力に変えれば賦課金も安くなるという説明は誤りです。賦課金は制度上、契約先を変えても金額が変わりません。安くなるのは基本料金と電力量料金の部分だけです。
床暖房の節約でよくある失敗
床暖房の節約を試みても、思ったほど電気代が下がらないケースがあります。多くは設定や思い込みのずれが原因で、対策の方向そのものを間違えていることが少なくありません。ここでは検索や相談でよく見かける失敗のパターンを整理しました。自分の使い方や契約状況に当てはまるものがないか、確認しながら読み進めてください。
設定温度を上げすぎて逆効果になるケース
肌寒さを感じて設定温度を上げ続けた結果、消費電力が想定以上に増えてしまうケースがあります。6畳の電気式床暖房で床温を25度から30度に上げると、電気代がおよそ2倍前後に増えるという目安もあり、少しの温度差が金額に大きく響きます。厚手のスリッパやラグで足元を補うほうが、設定温度を上げるより無理のない対策になります。
電力会社を変えれば安くなると誤解するケース
電力会社を切り替えれば床暖房の電気代がまとめて安くなると考えている方もいますが、下がるのは基本料金と電力量料金の部分だけです。再エネ賦課金は契約先を変えても金額が変わらないため、切り替えの効果を過大に見積もると、期待したほど請求額が下がらず戸惑うことになります。切り替えを検討する際は、下がる部分と下がらない部分を分けて試算してください。
- 肌寒さをすべて設定温度で解決しようとする
- 短時間の外出のたびに電源をこまめに切る
- 蓄熱式なのに時間帯別プランに加入していない
- 電力会社を変えれば賦課金も安くなると誤解する
- 検針票の使用量を確認せず感覚だけで判断する
高いと感じたら設定温度を上げるのは逆効果になりがちです。まずは自宅の方式と契約プランを確認するところから始めてください。
よくある質問
床暖房の電気代について、検索でよく調べられている疑問をまとめます。数値は複数の電力比較メディアが示す目安と、業界標準の単価にもとづく試算であり、実際の金額は機種や住宅の断熱性能、契約している電力会社のプランによって変わります。ここで示す回答はあくまで一般的な目安のため、正確な金額は毎月の検針票に記載された実測値で確認してください。
床暖房の電気代を今すぐ下げる方法はありますか
最も手軽なのはタイマーで運転時間を絞ることと、設定温度を1〜2度下げることです。厚手のスリッパやラグを併用すれば、設定温度を下げても寒さを感じにくくなります。頻繁な電源のオンオフはかえって消費電力を増やすことがあるため、外出時間の長さで使い分けてください。
電気式と温水式はどちらが節約になりますか
稼働中のランニングコストは温水式のほうが抑えやすいとされていますが、初期費用は電気式より高くなります。1部屋だけを短時間使うなら電気式、複数の部屋を長時間暖めるなら温水式が向いているという目安で選ぶ考え方が一般的です。すでに設置済みの場合は、方式に合わせた使い方の工夫を優先してください。
蓄熱式の床暖房は電気料金プランを変えると安くなりますか
時間帯別の電気料金プランに加入していない場合、深夜に運転していても割安な単価の恩恵を受けられません。蓄熱式は夜間の運転を前提にした方式のため、契約プランが時間帯別になっているかを確認し、なっていなければ見直しを検討する価値があります。
新電力に変えれば床暖房の電気代は必ず安くなりますか
必ず安くなるとは限りません。安くなるのは基本料金と電力量料金の部分で、再エネ賦課金は契約先を変えても金額が変わりません。世帯の使用量や生活時間帯によって結果が変わるため、切り替えを検討する場合は複数社の料金表で試算してから判断してください。
まとめ
床暖房の電気代は、電気式か温水式かという方式の違いと、部屋の広さ、設定温度によって大きく変わります。目安単価31円/kWhで試算すると、消費電力1200Wの機種を1日4時間使った場合で月額およそ4464円になり、使用時間や設定温度を少し変えるだけでも金額は大きく上下することが分かります。まずは自宅の方式と使用時間を確認するところから見直しを始めてみてください。
今日からできる対策としては、タイマーで運転時間を絞ること、外出時間の長さでつけっぱなしとこまめに消すを使い分けること、設定温度を1〜2度下げることが挙げられます。蓄熱式の場合はこれに加えて、契約している電気料金プランが時間帯別になっているかどうかも節約効果を左右します。
一方で、再エネ賦課金のように使い方や契約プランを変えても下がらない費目があることも押さえておいてください。電力会社を変えれば必ず安くなるわけではなく、世帯の使用量とプランによって結果は変わります。関連する電気代の記事はエアコンの電気代節約方法の記事、賦課金の仕組みは再エネ賦課金を解説した記事、オール電化の時間帯別プランはオール電化のエアコン電気代を解説した記事、ほかの記事は記事一覧をご覧ください。