再エネ賦課金とは?2026年度の単価と自分の負担額の調べ方

検針票や電気料金の明細に並んでいる「再エネ発電賦課金」。金額の割に説明がなく、何に使われているのか分からないまま毎月引かれていると感じている方は多いと思います。これは電気を使う人全員が負担する費目で、単価は国が毎年決めています。
この記事では制度の仕組みを整理したうえで、2026年度の確定単価と、自分がいくら払っているのかを検針票から計算する手順まで示します。数値は経済産業省の公表資料で確認したものです。
公的機関の公表資料と各社の料金表にあたって記事を書いています。この記事の単価と負担額は経済産業省のニュースリリースで2026年9月12日に確認したものです。出典を示せない金額は掲載していません。
再エネ賦課金とは何か
正式には再生可能エネルギー発電促進賦課金といいます。太陽光や風力などで発電された電気を電力会社が一定価格で買い取る制度(FIT制度・FIP制度)があり、その買取にかかる費用を、電気を使う人全員で分担する仕組みです。電力会社が独自に決めている料金ではありません。
経済産業省の公表資料によれば、賦課金の単価は毎年度、その年度の開始前に、再エネ特措法で定められた算定方法に則って経済産業大臣が設定しています。設定にあたっては調達価格等算定委員会の意見を尊重すると記載されています。
誰が負担しているのか
電気を使っているすべての家庭と事業者が対象です。契約している電力会社の種類や、大手電力か新電力かによる違いはありません。単価は全国一律で、使った電力量に応じて計算されます。つまりどの会社と契約していても、同じ使用量なら賦課金の額は同じです。この点は後述するとおり、電力会社の切り替えを検討するときに重要になります。
何に使われているのか
再生可能エネルギーで発電された電気の買取費用に充てられています。太陽光発電を設置した家庭や事業者が売った電気は、この制度にもとづいて買い取られています。買取価格は発電方法や設備の規模ごとに決められており、こちらも国が毎年設定しています。
賦課金は、その買取に必要な原資を利用者から集めるための仕組みです。負担が広く薄く分散される代わりに、再生可能エネルギーの導入が進むほど必要な原資も増えるという構造になっています。
制度が始まった経緯
この仕組みは、再生可能エネルギーで発電された電気を国が定めた価格で買い取る制度とセットで運用されています。買い取りには原資が必要で、その原資を電気の利用者から広く集めるのが賦課金です。発電設備を設置した人が受け取る買取価格も、賦課金の単価も、どちらも国が毎年設定しています。
制度の目的は再生可能エネルギーの導入を進めることにあり、導入が進むほど買取に必要な費用も増えるという関係になっています。そのため単価は固定ではなく、年度ごとに見直される設計です。
なお、買取価格の設定にあたっては調達価格等算定委員会の意見が尊重されると経済産業省の資料に記載されています。賦課金の単価も同じ枠組みの中で決まっており、電力会社の裁量で上下するものではありません。明細に並んでいる他の費目とは性質が違う、という点を押さえておくと理解しやすくなります。
- 正式名称は再生可能エネルギー発電促進賦課金
- 再エネの買取費用を電気の利用者全員で分担する制度
- 単価は国(経済産業大臣)が毎年度設定する
- 電力会社ごとの違いはなく、全国一律
- 使った電力量(kWh)に単価を掛けて計算される
電力会社が勝手に上乗せしている費目ではありません。国が決めた単価を、各社が請求時に反映しているという関係です。
単価そのものより、「年度と検針月が1ヶ月ずれる」ことのほうが明細を読むときに効いてきます。4月の請求はまだ前年度の単価です。
2026年度の単価と負担額
経済産業省が2026年3月19日に公表した内容によれば、2026年度の賦課金単価は1kWh当たり4.18円です。単価設定の根拠として、再エネの導入状況や卸電力市場価格等が踏まえられていると記載されています。この単価は年度ごとに見直されるため、毎年春に確認する必要があります。
適用される期間
注意したいのは、適用が4月からではないことです。経済産業省の資料には、2026年度の賦課金単価は2026年5月検針分の電気料金から2027年4月検針分の電気料金まで適用されると明記されています。年度と検針月が1ヶ月ずれる形です。4月の請求にはまだ前年度の単価が使われているため、明細を見比べるときはこの点を踏まえないと計算が合いません。
モデル世帯の負担額
経済産業省は目安として、1ヶ月の電力使用量が400kWhの需要家モデルの負担額を示しています。それによると月額1,672円、年額20,064円です。この400kWhという数値には、総務省家計調査に基づく一般的な世帯の1ヶ月の電力使用量という注記が付いています。自分の使用量がこれより多ければ負担も増え、少なければ減ります。計算は単純で、使用量に単価を掛けるだけです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 2026年度の単価 | 1kWh当たり4.18円 |
| 適用期間 | 2026年5月検針分〜2027年4月検針分 |
| モデル世帯の使用量 | 1ヶ月400kWh(総務省家計調査に基づく) |
| モデル世帯の月額 | 1,672円 |
| モデル世帯の年額 | 20,064円 |
| 公表日 | 2026年3月19日(経済産業省) |
出典は経済産業省のニュースリリース再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定しますです。2026年9月12日に内容を確認しました。
- 単価は年度ごとに国が設定する
- 2026年度は1kWh当たり4.18円
- 適用は5月検針分から翌年4月検針分まで
- 公表は経済産業省のニュースリリース
- 年度と検針月が1ヶ月ずれる点に注意
自分の負担額を検針票から確認する
モデル世帯の金額はあくまで目安であって、自分の負担額ではありません。実際の金額は毎月の明細に記載されていますし、記載が見当たらなくても使用量から自分で計算できます。確認の手順は3ステップで、所要は2分ほどです。毎月の電気代の中でこの費目がどれくらいの割合を占めているかが分かると、節電でどこまで減らせるのかを見積もる基準にもなります。まずは手元に検針票かWeb明細を用意してください。
明細の該当欄を探す
紙の検針票やWeb明細に「再エネ発電賦課金」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」といった名称で記載されています。基本料金、電力量料金、燃料費調整額と並んでいることが多い費目です。金額が直接書かれていれば、それがその月の負担額です。記載の名称は会社によって少しずつ違いますが、内容は同じものを指しています。
- 明細に「再エネ発電賦課金」の欄があるか
- その月の使用量(kWh)はいくつか
- 検針月が2026年5月以降か(単価が切り替わる)
- 請求総額に占める割合はどれくらいか
- 前年同月と比べて使用量が増えていないか
使用量から自分で計算する
明細に記載がない場合や、検算したい場合は、その月の使用量に単価を掛けます。2026年5月検針分以降なら、使用量(kWh)×4.18円です。たとえば使用量が250kWhなら1,045円、500kWhなら2,090円になります。単価は全国一律なので、どの電力会社と契約していても同じ計算になります。
電気代全体に占める割合を見る
計算した金額を、その月の請求総額で割ると割合が出ます。使用量が多い世帯ほど、賦課金の額そのものは大きくなります。一方で基本料金は使用量にかかわらず一定なので、割合の出方は契約プランによって変わります。この割合を把握しておくと、節電で減らせる部分と、減らせない部分の切り分けができます。賦課金は使用量に比例するため、使用量を減らせば賦課金も減ります。
| 1ヶ月の使用量 | 2026年度の賦課金額 | 計算式 |
|---|---|---|
| 150kWh | 627円 | 150×4.18 |
| 250kWh | 1,045円 | 250×4.18 |
| 400kWh | 1,672円 | 400×4.18 |
| 500kWh | 2,090円 | 500×4.18 |
| 700kWh | 2,926円 | 700×4.18 |
表の金額は、経済産業省が公表した単価4.18円を使い、当サイトが使用量ごとに計算したものです。400kWhの行は経済産業省が示したモデル値と一致します。
実際の請求では、会社ごとに端数処理の方法が定められている場合があります。上の表は単価をそのまま掛けた概算なので、請求額と数円単位でずれることがあります。
明細の他の費目との違い
請求書には基本料金や電力量料金、燃料費調整額も並んでいます。このうち基本料金と電力量料金は契約している会社とプランで決まり、会社を変えれば金額も変わります。燃料費調整額は発電に使う燃料の価格変動を反映する費目で、算定の方法や上限の設定に会社差が出ることがあります。
これに対して再エネ賦課金だけは国が一律に決めており、契約先による違いがありません。明細を見るときは、この4つを分けて把握しておくと、金額が動いた理由を特定しやすくなります。
たとえば請求額が前月より増えていたとき、原因が使用量なのか、燃料費調整額の変動なのか、年度替わりで賦課金の単価が変わったのかで、取るべき対応は変わります。使用量が原因なら節電が効きますが、単価の改定が原因なら個人にできることはありません。切り分けができるようになると、無駄に悩まずに済みます。
電力会社を変えても賦課金は変わらない
誤解が多い部分です。電気代を下げたくて新電力への切り替えを検討する方は多いのですが、賦課金の単価は全国一律で、切り替えても変わりません。国が決めた単価が、どの会社の請求にも同じように反映されるためです。切り替えで下げられるのは、基本料金と電力量料金の部分です。この区別を理解しておくと、比較サイトのシミュレーション結果も正しく読めるようになります。
| 費目 | 決まり方 | 会社で差が出るか |
|---|---|---|
| 基本料金 | 各社が設定 | 出る |
| 電力量料金 | 各社が設定 | 出る |
| 燃料費調整額 | 算定方法に会社差がある場合がある | 出ることがある |
| 再エネ賦課金 | 国が全国一律で設定 | 出ない |
切り替えで変えられる部分
電気料金の内訳は、大きく分けて基本料金、電力量料金、燃料費調整額、再エネ賦課金です。このうち会社やプランによって差が出るのは基本料金と電力量料金で、ここが比較の対象になります。基本料金が0円のプランや、使用量の多い時間帯で単価が変わるプランなど、設計はさまざまです。燃料費調整額も会社によって算定の上限設定が異なる場合があり、比較するときは4つの費目のうちどれを比べているのかを意識してください。
切り替えても変えられない部分
再エネ賦課金は、契約先にかかわらず同じ単価が適用されます。したがって、シミュレーションで「年間◯円安くなる」と出ていても、その差額は賦課金以外の部分から生まれています。賦課金を減らす方法は、使用量そのものを減らすこと以外にありません。太陽光発電を設置して購入する電力量を減らせば、結果として賦課金の負担も減りますが、設置費用との比較は別に検討する必要があります。
- 基本料金は会社・プランで差が出る(比較できる)
- 電力量料金も会社・プランで差が出る(比較できる)
- 燃料費調整額は算定方法に会社差がある場合がある
- 再エネ賦課金は全国一律(比較しても差は出ない)
- 賦課金を減らせるのは、使用量を減らしたときだけ
「新電力にすれば賦課金が安くなる」という説明を見かけたら、その情報源は疑ったほうがいいです。制度上そうはなりません。
- 支払いを断ることはできない
- 契約先を変えても単価は同じ
- プランを変えても単価は同じ
- 減らせるのは使用量を減らしたときだけ
- 最新の単価は毎年春に経済産業省が公表する
よくある質問
再エネ賦課金について、検索でよく調べられている疑問をまとめます。制度は改正されることがあるため、最新の単価と適用期間は経済産業省の公表資料で確認してください。以下は2026年9月12日時点で確認した内容にもとづく回答です。個別の請求内容については、契約している電力会社の問い合わせ窓口にご相談ください。
支払いを断ることはできますか
できません。電気の使用に伴って発生する費目として制度化されているため、電力の供給を受けている限り負担することになります。契約する会社を変えても、プランを変えても、単価は同じです。負担額を減らせるのは使用量を減らした場合だけです。使用量に比例する費目なので、節電の効果はそのまま賦課金にも及びます。
単価はいつ変わりますか
年度ごとに見直され、経済産業省が年度の開始前に公表します。2026年度の単価は2026年3月19日に公表されました。適用は5月検針分からで、翌年の4月検針分までです。毎年春先に「今年はいくらになったか」を確認する習慣をつけると、電気代の変動要因を切り分けやすくなります。公表は経済産業省のニュースリリースで行われます。
なぜ単価が変わるのですか
経済産業省の資料では、単価の設定にあたって再エネの導入状況や卸電力市場価格等が踏まえられていると記載されています。再生可能エネルギーの導入が進めば買取に必要な費用も増えますし、卸電力市場の価格水準も算定に影響します。毎年の増減はこれらの要素の組み合わせで決まるため、単純に右肩上がりとは限りません。当サイトでは推測での予想は行わず、公表された数値のみを掲載しています。
オール電化だと負担は大きくなりますか
使用量が多くなる分、賦課金の額も大きくなります。単価は同じでも、掛け算の対象となるkWhが増えるためです。ただしオール電化向けのプランは夜間の電力量料金が抑えられている設計が多く、電気代全体では別の計算になります。賦課金だけを取り出して損得を判断するのではなく、4つの費目を合計した金額で比べてください。詳しくは電気料金の仕組みのカテゴリで順次まとめています。
まとめ
再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの買取費用を電気の利用者全員で分担する制度です。単価は国が毎年度設定し、全国一律で適用されます。2026年度は1kWh当たり4.18円で、2026年5月検針分から2027年4月検針分までが対象です。経済産業省が示したモデル世帯(月400kWh)の負担額は月額1,672円、年額20,064円でした。
自分の負担額は、明細の該当欄を見るか、使用量に単価を掛けることで確認できます。そして重要なのは、電力会社を切り替えてもこの費目は変わらないという点です。切り替えで下げられるのは基本料金と電力量料金であり、シミュレーションの差額もそこから生まれています。
単価は毎年春に見直されるため、最新の数値は必ず経済産業省の公表資料で確認してください。ほかの記事は記事一覧、当サイトの方針は運営者情報をご覧ください。